…………………………
……
……
「初めまして、梓柊と言います。お好きにお呼びくださいませ」
親父が初めて連れて来た執事は、梓だった。
「……執事って嫌いなんだけど」
声変わりをしていない、中学生くらいの俺。
梓はもうすでにこの時、20だった。
……中学生だったからなのか、俺は反抗期真っ只中で、梓という存在がとても邪魔でしかなかった。
「遊んでは駄目です。そんな暇があれば勉強に回してください」
「今日は弓道をしましょう」
「食事は私がすべて管理いたします」
「睡眠は一日6時間です」
毎日そんなことを言われる。
そんな生活がもう嫌で、俺は家から飛び出した。
「もう、外国に逃げてやる……」
金さえあれば、向こうでもやって行けるし!
そう思って財布をポケットから出したら、5円玉が一つ。それ以外の金を探すが、やっぱり5円しかない。
「そう言えば……カード以外のお小遣いを貰ったことがない」
……これもあいつの策略なのか。
行く当てもなく、うろうろと歩いていると、公園が見えた。
……
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「初めまして、梓柊と言います。お好きにお呼びくださいませ」
親父が初めて連れて来た執事は、梓だった。
「……執事って嫌いなんだけど」
声変わりをしていない、中学生くらいの俺。
梓はもうすでにこの時、20だった。
……中学生だったからなのか、俺は反抗期真っ只中で、梓という存在がとても邪魔でしかなかった。
「遊んでは駄目です。そんな暇があれば勉強に回してください」
「今日は弓道をしましょう」
「食事は私がすべて管理いたします」
「睡眠は一日6時間です」
毎日そんなことを言われる。
そんな生活がもう嫌で、俺は家から飛び出した。
「もう、外国に逃げてやる……」
金さえあれば、向こうでもやって行けるし!
そう思って財布をポケットから出したら、5円玉が一つ。それ以外の金を探すが、やっぱり5円しかない。
「そう言えば……カード以外のお小遣いを貰ったことがない」
……これもあいつの策略なのか。
行く当てもなく、うろうろと歩いていると、公園が見えた。


