兄と弟。

二階の突き当たり……物置にしてる部屋だ。
その部屋にはすでに兄貴が入ったのか、ドアが開いていた。
ここか……?
俺は部屋を覗いた。
「お前は見られたんだぞ!どうするんだよ!!」
「……分かってる」
え、兄貴が二人?
声しか聞こえないが、一人で喋っているとは思えない、似て似つかない声。
見えない……。
二人を見ようと前へ進むと、思いの他すぐに兄貴(?)達に見つかったのである。
「「「……」」」
どうしたらいいのだろうか。
思い描いていた俺の兄貴像に、まさに似ている、もう一人の兄貴。
あまり外に出ていないのか、肌が白く、少し痩せているようにも見える。
ここにずっと居たのだろうか。
「初めまして、かな。雪」
優しげな瞳は、もう一人の兄貴にはないもので。
なんだか不思議な気持ちだった。
俺は違う方の兄貴に問い詰めるように視線を向けた。
「……なんで隠してたわけ」
自分でも驚くぐらい、冷たい声が出た。
兄貴がもう一人の兄貴の存在を隠していたのか、俺にはさっぱり分からなかった。
兄貴は少し考える様子を見せ、答えた。
「……仕方ないだろ。俺達は色々複雑なんだよ」