兄貴の顔が近づいた。
「……」
今まで見てきた表情じゃなかった。
混乱しているはずなのに、頭は冷静だった。
えーっと……。
その時、ずっと黙っていた野沢が俺の前へ、気まずそうに視線を明後日の方向を向きながら、一歩出てきた。
「何言ってんすか、雪の兄貴さん」
「……部外者は黙ってろよ」
静かにそう言うと、鋭い目が野沢を睨む。
睨まれているというのに、本人はあっけらかんとしている。
「あの部屋に居るのって、もう一人の雪の兄貴さんだったよーな。…………まぁ、確証はないけど」
その一言に電気が走ったように兄貴は瞳孔を開くと、すぐに元に戻り、野沢の胸倉を強く掴んだ。
「…………チッ。どこでそれを知った」
「に、二階の、突き当たりの部屋、で……」
野沢の応答に兄貴は再度舌打ちをすると、野沢の手を離し、二階へと走って行った。
「大丈夫か?」
「大丈夫、だって!ほら、早く追いかけろ」
「っ、悪い、明子さんを頼む」
「おう!行ってこい」
二人に背中を向け、兄貴が行った方へと急いだ。
「……」
今まで見てきた表情じゃなかった。
混乱しているはずなのに、頭は冷静だった。
えーっと……。
その時、ずっと黙っていた野沢が俺の前へ、気まずそうに視線を明後日の方向を向きながら、一歩出てきた。
「何言ってんすか、雪の兄貴さん」
「……部外者は黙ってろよ」
静かにそう言うと、鋭い目が野沢を睨む。
睨まれているというのに、本人はあっけらかんとしている。
「あの部屋に居るのって、もう一人の雪の兄貴さんだったよーな。…………まぁ、確証はないけど」
その一言に電気が走ったように兄貴は瞳孔を開くと、すぐに元に戻り、野沢の胸倉を強く掴んだ。
「…………チッ。どこでそれを知った」
「に、二階の、突き当たりの部屋、で……」
野沢の応答に兄貴は再度舌打ちをすると、野沢の手を離し、二階へと走って行った。
「大丈夫か?」
「大丈夫、だって!ほら、早く追いかけろ」
「っ、悪い、明子さんを頼む」
「おう!行ってこい」
二人に背中を向け、兄貴が行った方へと急いだ。


