兄と弟。

「寒い……」
廊下に出るとより寒さを感じる。
なんだかんだは言いながらも開放してくれたわけだ。
双子には感謝しなくてはならない。
保健室のドアをあけた。
ガラッ
「あの、すみません」
するとカーテンの中から出てきた。
「あらどうしたの?」
「多分風邪だと……」
俺の額を触ると頷いた。
「うんー……確かに顔も赤いし熱いわ。ちょっと測らせてもらうわね?」
体温計を渡されて脇に入れた。
「大丈夫そう?」
「ちょっとぼーっとするだけなんで大丈夫です」
「そう」
ピピピピッ……。
「39度5分。ちょっと高いわね」
「あーそれなら早退します、移ったら悪いし」
「分かったわ。歩いて帰れる?――あれ、首……。ふふ。彼女と仲いいのはいいけど彼方達はまだ学生なんだから気をつけなさいよ?」
「え?」
言われて手を当てると腫れているのが分かる。
……いつの間につけられたのだろうか。