「えっと、話してる最中で悪いけど、知り合い?」
すると後ろから鋭く睨まれた気がした。
…………余計なことを言ったらバラす。
そう言ってるように思えた。
ひやりと手から冷や汗が流れた。
「……まあ、そんなとこ」
「?」
野沢は不思議そうに俺の顔を見た。
目と目のアイコンタクト……だろうか。
あいつの目が、誰だと言ってるように見えた。
「後輩だ」
嘘はついてない。
「…………。じゃあ僕はこれで」
えっ?と振り返ると、双子の弟は頭を下げて歩いて行った。
「不思議な奴だったな。名前はなんて言うの?」
「知らない」
「えっ。知り合いなのに名前知らないって……」
「……最近顔見知りになっただけだ」
弟の行った方に目を向けると、人ごみに紛れて見えなくなっていた。
「それに、知りたいとは思わない」
俺と双子はそれだけの関係。
向こうのことを知ったって何の得にもならない。
向こうは知っててこっちだけ知らない。それだけがちょっと悔しいが。
いつでも切り捨てられる関係には変わりない。
すると後ろから鋭く睨まれた気がした。
…………余計なことを言ったらバラす。
そう言ってるように思えた。
ひやりと手から冷や汗が流れた。
「……まあ、そんなとこ」
「?」
野沢は不思議そうに俺の顔を見た。
目と目のアイコンタクト……だろうか。
あいつの目が、誰だと言ってるように見えた。
「後輩だ」
嘘はついてない。
「…………。じゃあ僕はこれで」
えっ?と振り返ると、双子の弟は頭を下げて歩いて行った。
「不思議な奴だったな。名前はなんて言うの?」
「知らない」
「えっ。知り合いなのに名前知らないって……」
「……最近顔見知りになっただけだ」
弟の行った方に目を向けると、人ごみに紛れて見えなくなっていた。
「それに、知りたいとは思わない」
俺と双子はそれだけの関係。
向こうのことを知ったって何の得にもならない。
向こうは知っててこっちだけ知らない。それだけがちょっと悔しいが。
いつでも切り捨てられる関係には変わりない。


