恐る恐る後ろを振り返った私の目に飛び込んで来たのは…最悪。
学年一の不良王子様、神風総長、橋詰 來弥。
はだけたシャツにゆるゆるネクタイ。
腰まで下げたズボンに明るい茶髪。
し、死にたくないよぉ!!!!泣
「なぁ、そいつが“眠り姫”?」
私が答えないからかもう一度同じ質問を繰り返す。
「は、はいっ。そ、そうですが…」
ビビり過ぎて噛み過ぎた←
「そうか。」
不良王子様は、ニヤリと不適に笑うとあやめの肩に手を伸ばす…
「あの!」
触れるか触れないかの直前で私は、小さく叫んだ。
「あの、今、あやめを起こすのはやめた方がいいと思います。自然に起きるのを待たれた方が…」
よし、言った!!
頑張った、私!!!
「あ?俺は今、こいつと話したい。邪魔すんな」
ギロリと睨まれたカエルは、もう鳴くことさえ許されない。
い、いいもん。
私はちゃんと忠告はしたんだから!
そう心で念じた私は、静かに教室の隅に移動し耳を塞ぐ。
クラスメイトも私を見て、教室の隅に移動して同じように耳を塞ぐ。
あやめのそばには1mくらいの空間が出来た。
不良王子様は、何も知らずにあやめの肩に手を伸ばす…
「おい、起きろ!!」
「おい!!」
「お…「あ?誰だ、俺の眠りを妨げたのは…?」
あぁ、やってしまった…