妄想ガールの王子様

「ほらこれ飲んで!ゆっくりね」

日野くんは目を丸くしてドリンクが入った水筒を受け取る。

「わたしは保健室に行って熱取りシート貰ってくるから休んでて!」

「ちょ……梨乃ちゃん!?」

わたしは全力で走って保健室行き先生に事情を説明する。

すると保健室の先生も一緒に来てくれて日野くんを診てもらった。

先生は日野くんのおでこに熱取りシートを張って言った。

「軽い熱中症ね。早く気付いたから良かったけど気を付けなきゃだめよ」

「はーい……」

日野くんは軽く手を挙げてうなずいた。