妄想ガールの王子様

「はぁ。難しいなぁ……」

「何が難しいの?」

「ひぇっ!?」

突然声をかけられて振り向く。

そこには日野くんが立っていた。

でも何だか様子がおかしい。

「日野くん、大丈夫?なんか顔が赤いよ?」

「そう?ちょっと頑張り過ぎたかな?」

そう言ってフラフラとした足取りでわたしの隣にやってくる。

「ちょっとめまいがするだけだよ……」

日野君は目を閉じて浅い息をする。

……!この症状って……!

「ねぇもしかして熱中症じゃない!?」