妄想ガールの王子様

頭が真っ白になってクローゼットをかき分ける。

季節外れのコートや、冬物の間をあさってもワンピースは出てこなかった。

「どうして……?」

その時、ケータイが鳴った。

メールだ。

『お姉ちゃん☆
ワンピとバック借りたよ~(*´∀`)』

妹からのメールにはそんな文字が浮かんでいた。