妄想ガールの王子様

「俺……
梨乃ちゃんのことが好き」

日野くんのその言葉が耳をかすめたと思った瞬間。

わたしは彼の腕の中にいた。

「!?」

突然の事で頭が真っ白になる。

日野くんはわたしの髪に顔をそっとうずめて

「ーー好きなんだ」

ともう一度言った。