妄想ガールの王子様

「もう、二人とも、何やってるの?
どうせ遊ぶならせっかく海に来てるんだし砂じゃなくてあっちでやったら?」

わたしは波打ち際を指差して言った。

あれ?わたし何言ってるんだろ。

二人を止めようと思って間に入ったのに。

これじゃ、砂かけ合戦の舞台が波打ち際になるだけじゃ……。

慌てて訂正しようと口を開こうとしたら

「……それもそうだな」

「うん。そうだね」

二人は顔を見合わせて頷くとにやりと笑ってわたしを見る。

「え?な、何?」

次の瞬間。

ふわりと体が浮いてわたしは二人に抱えられていた。