妄想ガールの王子様

「そうなんだ。春田くんの撮る空ってわたし凄く好きだな」

「……梨乃にそう言って貰えると嬉しいよ」

春田くんはこちらに顔を向けてほほ笑む。

わたしもそれに笑顔で応えた。

「ちょっとー？何二人の世界作ってんの？
つーかハル！お前いつから梨乃ちゃんの事
名前で呼んでんだよ？」

日野くんはがばっと起き上がって春田くんに抗議した。

「いつからってさっきからだけど？」

「何だとー！？俺の断りなしに名前で呼ぶなんて！」

そう言って日野くんは春田くんに砂をかけた。