妄想ガールの王子様

「あーあ、どこかに王子様いないかなぁ」

わたしはポツリとつぶやく。

「王子様……ねぇ……」

「そう!『乙恋』のアンディ王子みたいな金髪で目が青くてかっこ良くて背が高くて優しくて……」

カナはメニューを閉じて妄想にふけるわたしを

『かわいそうに……』 

といった目で見ている。