妄想ガールの王子様

春田くんはもう一度わたしの名前を呼ぶ。

そしてじっと見つめながら長い指先でわたしの頬に触れた。

そのままあごのラインを撫でられる。

わたしはどうしていいか分からずに思わず目を閉じてしまう。

すると春田くんはそのままわたしの唇を指でなぞった。

「!?」

ぞくりと体が反応して思わず後ずさる。

「あ!ごめん!
唇がきれいだったからつい……」

春田くんはパッと手を放して申し訳なさそうな表情を浮かべる。

「う、ううん」

わたしは慌てて首を振った。

心臓がどうにかなりそうなくらい鳴り響いている。