突然言われてわたしは顔を上げた。

「も、もちろんいいよ!えっとじゃあ……」

「うん。俺の事も名前で呼んでくれると嬉しい」

少しはにかんで言う春田くんの顏が何だか赤い。

きっとわたしの顏も赤くなってると思う。

「じゃあ……。梨乃……」

少し低めの春田くんの声。

名前を呼ばれて体が熱っぽくなる。

自分の名前がこんなにいい響きだとは思わなかった。

「梨乃」