暫くして、やっと泣き止んだ。
「武ちゃんの好きって信じていいの?
妹としてじゃなく好きって言ってくれてるんだよね!?」
真っ赤な鼻に、少し腫れた瞼。
そんな顔を見て、うんと頷いて笑った。
「武ちゃん……」
「ん?」
「少しだけ……すこーしだけ我儘言っていい?」
「何?」
“少し”を強調するのにクスクスと笑いながら聞き返すと、困った顔をして
「他の女の人とね…その……腕は組まないで?」
小さな声で囁いた。
「……腕組まなければいいのか?」
「え!? あ、勿論、キスとか…その……Hは論外だよ?」
「ぶはっ」
思わず笑った俺を、眉間に皺を寄せて睨む梓衣。