それなら……
「男の部屋にこんな時間に上がり込んで。んな事、言ったらどうなるかわかるよな?」
「わかってる。それを望んでるんだよ?」
やっと、いつもの梓衣が見れた。
少し不安そうな表情で俺を上目遣いで見上げる。
「梓衣、何言ってんの? そんな事、簡単に言うもんじゃねーよ」
その顔にドキッとしてしまった俺は、目を逸らし煙草に火をつけた。
「どうして? あたしが簡単に言うと思ってるの、武ちゃん」
梓衣を見れない。
ドキドキと胸が煩く鳴っちまうし。
手に変な汗までかいてきたし。
「ねぇ、武ちゃん。あたしの事“女”として見てくれてる?
それとも……やっぱり妹でしかないのかなぁ?」
答えれなかった。
何て答えればいい?
素直に好きだ。って抱けばいい?
それとも妹だって突き放せばいい?
本能のままに動いていいのか?

