【短編】俺の可愛い妹





――プルルルルル……



クリスマス・イブ。


結局、俺はタツ達のクリスマスパーティには参加せず、会社の人に無理矢理誘われた一人身同士の飲み会に参加中。



元々、乗り気じゃなかった俺はトイレで梓衣の携帯を鳴らす。


だけど、いつもと同じ。



虚しく呼び出し音が、留守番サービスセンターへと繋がるだけ。

その声を聞きながら、



「……この人の声聞き飽きた」



そうポツリと呟いた。



携帯を耳から離し、半分に閉じて席へと戻ろうとした時。


盛り上がる店内に、一際大きな笑い声が聞こえ何気なくそっちに目を向けると、



そこには、お洒落をして楽しそうに笑ってる梓衣の姿があったんだ。



多分、友達同士でクリスマスパーティでもしてるんだろう。
楽しそうに笑う梓衣の隣には男も居て。



握った携帯に力が入った。