【短編】俺の可愛い妹





そう思ったのに、あれ以来何も言ってこな梓衣。



一緒に居る時に女から電話があっても。
女と腕を組んでるのを見ても。
どんなに遊んでも。



それどころか、夏祭りの事にすら触れない。



正直わかんねぇ。



これって、どう取ればいいんだろ。

もう俺に呆れて何も言わないだけか?



それならいい。
俺が願った事だから。



だけど他に何か思ってる事があるのかな。



それなら……



「ちょっとー、武ー?」

「へ!?」



ボーっと考えていた俺は、急に現実に戻された。



「何してんの? 行くよー」

「武ちゃん、行くよー」



不機嫌な顔の祥子って女の真似をするタツを睨んで、俺も後へと続いた。



もうすぐクリスマス。



皆でパーティするから、その買出しとか何とかで真昼間の街を歩く。

さすがにクリスマス前の休日だからか、異様に人が多い気がする。