そのまま家に戻り、寝てしまった俺の携帯に着信。



重い瞼を開けると、外が明るくなっていた。


俺、何時間寝てたわけ?


そう思いながら、携帯を開くと見たこともない番号が表示されていた。

そんなのはいつもの事だから、何にも気にせず通話ボタンを押す。



《もしもし? 武ー?》



俺が話す前に、聞こえてきた女の声。



「あー誰?」

《えー、酷い》



クスクス笑う女に、イラッとしながらも『悪い』とだけ言って返事を待つ。



《この間遊んだ、祥子だよ》

「ん、覚えてない」

《えー》



起き上がった俺は、冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを飲みながら答えた。