何が?

なら、どうして



『梓衣と来てるから行けない』



そう言ってくれなかったの?


曖昧にする武ちゃんが、わからない。


ねぇ、武ちゃん。
武ちゃんがわかってる?



「梓衣?」



あたしを覗き込んだ武ちゃんは心配している顔だ。



「……ごめんなさい」

「ん」



フワッと笑って頭を撫でる。

この大きな手に安心するんだ。



いつもなら心までポカポカするのに、今日は心は冷たいままだよ。