──私はわかっていた。 倉野亜里沙達に水をかぶせた犯人を。 それは誰にも見えなくて、何をしてもバレない人物。 倉野亜里沙を、殺してしまいそうなくらい上から睨みつけている辻谷那央の姿──。 その表情が見えている私は、全身金縛りにあってような感覚に陥り、冷や汗が流れる。 こんなにも辻谷那央を“怖い”と思ったのは初めて──。