「……へぇ、春乃って彼氏居たんだ」 「わっ!」 またいきなり顔の横で声がして心臓が跳ねる。 勿論、声の正体は辻谷那央で。 「毎回びっくりさせないでよ…。心臓が持たない。……てか、“春乃”って、さっきまで苗字で私を呼んでたじゃん」 辻谷那央に苗字ではなく、名前で呼ばれたことにびっくりしたが、誰にも聞こえないくらいの声量で呟く。 「…別に。いいじゃん、同居してる仲なんだし」