私の隣の幽霊くん。



「やっと目開けた」


「な…っな…っ」


つらっとした表情で平然と私に喋る辻谷那央に、言葉が出ない。


「なんで私の部屋に辻谷那央が…っ」


「ふは!フルネームかよ!お前、ずっと心の中では俺のことそう呼んでただろー!」


私の混乱している姿とは真逆に楽しそうにケラケラ笑う彼に私は徐々に冷静を取り戻す。


冷静と言っても心臓は今までで一番うるさく脈を打っていた。