私の隣の幽霊くん。



「もう。だから、明日の辻谷那央のお通夜行く?って話」


“辻谷那央”のキーワードがのあの口から出た瞬間、心臓がドキンと跳ねた。


朝に教室で別れて、それから一日中一度も姿を見てない。


あれからどうしたのだろう、と気になって授業中は全時間上の空だった。


「…うん、行くつもり。あんまり関わりなかったけど一応クラスメイトだし」


「わたしも行くつもりなんだけどさ、

何か死んでこう言うのもあれなんだけど、わたし、辻谷那央が前から怖かったんだよね」


のあは道端に落ちている石を一蹴りして静かに話す。


辻谷那央が生きてる時は私達の間で、辻谷那央の事が話題になったことは一度もなく、今日初めてのあが彼の事を話題に出してきた。


しかもそれは私もずっと心の中に秘めてずっと思っていた事。


まさかのあも思っていたなんて。