「素直でよろしい。これがお前と雪斗しか知らない本当の俺。生きてた時と全く真逆の性格なんだよね、実は」 ケラケラと楽しそうに話す彼は、いつも教室に居た時の笑顔より好きだと思ってしまった。 ただでさえ整った顔立ちの人が無邪気に笑うほどかっこいいものはない。 不覚にも胸がドキッとしてしまった。 「ずっと“良い子の辻谷那央”をやってきて、やっと解放されたよ」 宙に浮きながら大の字に手足を伸ばす辻谷那央。