「わぁ~! 九条さんの班うまそー!」


カレーの香りが立ち込める家庭科室に、そんな声が響きわたる。


「大したことないよ」

「いやいや完成度高すぎて笑えるレベルですけど」

「そんな謙遜しないでよ!莉亜ちゃんのお陰なんだから。
これでうちらの班優勝確定なんだもんねーっ」


そりゃ、あんたらなんもしてねーもんな。

カレーをさいごの皿に盛り付けようとしたとき、


「それはないなっ!!!!」


私が視線を移すと、そこには


「…………あー」


そこにはどや顔の男子がいた。