…笑顔が引きつってしまう件については…





慣れだ、慣れ。

慣れろあたし。


そう心に言い聞かせ、騒がしい昇降口を通り抜けた。





「ふふっ」


「……ん?」



今日は偶然、昇降口で会った莉緒が、いきなり隣で笑い出した。




「…なに」


「あ、なんでもない!」




……言ってる割にはニヤついてるけど。



やだ、なによ莉緒。


地味にコワいんだけど。




「……言って」


「…へ?」


「ニヤついててなんかスッキリしないから」




冷たい目で莉緒を見る。


莉緒は、大抵のことならこうすれば観念して話してくれる。




長い付き合いで取得した、取り扱い方。


今回も実践。