そう言い終わると、ヤツはあたしから離れた。




「…さっき早川に話しかけてた女子、なかなか勇気あんな。仲良くしなよ」


「なんでそんなこと言われなきゃなんない⁉」


「ほら、また荒くなってる。……ん、そうだな、次言葉使い荒くなったら……お仕置きだな」



ヤツはニヤリと口元をゆがませる。




「まぁ内容は日替わりで…」


「てめぇっ‼」


「あ」


「……あ」





………終わった。


そう思った。




「早川おま…」


「ごめん‼‼」



とっさに謝ると、ヤツは離れた。




すると、向こうからパタパタと靴音が響いてきた。



「…じゃあな」



ヤツはそう言うと、さっさと外に出て行った。