すると風間は、いきなり手を握ってきた。



「迷子になったら困るからな」


「なっ…!」





しっ、失礼な……ッ‼


あたし、迷子になるほど方向音痴でもないし、それにそこまで小さくない‼‼










「………ってのは、手繋ぐための口実」


「っ⁉」




風間を見ると、耳まで真っ赤に染めて笑っていた。






それを見たら、なんだかこっちまで恥ずかしくなってくる。


あたしは顔を逸らした。








……もう、なんなの…………








…仕方ないから、繋いでおいてあげる。








それからチケットを買って、あたし達は並んで席に座った。