普通に考えれば、席は出席番号順であるはず。
なのに、
「えぇっ‼ 亮太くん塾行ってないの⁉」
1番後ろの、1番端。
………その、『亮太くん』の隣。
あー、なんかやだ。
周りに女子がごちゃごちゃいて、その『亮太くん』とやらを囲んで喋っている。
…あたしなんでこんな惨めな気持ちになってんの?
むかつく。
「……あぁ」
……あれ?
なんだ。
こいつも素っ気なく対応してんじゃん。
こいつも嫌なんじゃん結局は。
でも、それを知っての上なのかなんなのか、女子どもはなおも黄色い声をあげる。
「うっそぉ! 亮太くんそれほんと⁉」
「……あぁ」
「ねーえなんでそんなに頭いいのーっ⁉」
………うるさい。