「…早川」 「…っ…」 しゃがみ込むあたしの耳に、風間の落ち着いた声が、す、と入っていく。 顔を上げると、風間もしゃがんであたしの目線に合わせる。 そして、「大丈夫」と微笑んだ。 「俺がいるから。もしなんかあっても、俺がいるから、大丈夫だ。安心しろ」 風間の大きな手があたしの頭に触れて、そのままぽんぽんと叩いた。 「……うん…ありがとう…」 あたしは風間の陰にかくれるようにして、慎重に昇降口を出た。 工藤には気づかれていないみたいで、あたしは無事に校門をくぐり抜けることができた。