あたしは、嫌いで嫌いで仕方なかった男子の手が、こんなにもあったかいんだってことを知った。


そしてそれを知ったきっかけが、嫌いだった篠原であることにあたしはびっくりした。





もしかしたら篠原は、プレイボーイなんかじゃないのかもしれない。




きっと、女子1人1人を大事にする人なんだと思った。





あたしは、この日、久しぶりに泣いた。









音楽準備室を出て借りた第1音楽室に入ると、すでに風間がギターを弾いていた。




……いや、弾いていた、というよりは、ギターを持ったまま椅子に座りぼーっとしていた。




あたし達に気づくと、風間はギターを置き、あたしのところに来た。