篠原はずんずん歩いて行く。
やがて人通りの少なくなった住宅街に入ると、篠原はやっと歩くのをやめた。
「篠原…どうしたの?」
「………」
また無視。
こいつ………ッ!
帰る‼
もう帰らないと、ここがどこかわかんないから家に着くまで時間かかるし。
それに、早く篠原から離れて、今何時なのか確認したいし。
あたしは踵を返して帰ろうと、まずは握られた手を振り払おうとした。
瞬間───
「いっ………!」
「………」
駐車場のフェンスに、体を押し付けられた。
ガシャン、とフェンスが揺れる。
あたしは、篠原の顔をただただ驚いて見上げた。



