「お、おはよう」

めぐは少し口ごもる。

『恵君』にいっぱい喋ろうとすると、
何かよく分からない恥ずかしさが、込み上げてくるのだ。


仕事モードでない恵君も、『めぐと早く打ち解けないと』などという、おおよその人が思いつきそうな気遣いが、全くない。



自然と生まれた居心地の悪い不自然な沈黙の後、食卓の用意を手伝いに、台所へと向かった。