こんな気持ちもありですか?



ここは、由緒正しき東家の屋敷。

重々しい雰囲気漂うその屋敷に、

朝から響き渡る――――

笑い声。


例によって、ただの廊下で転びそうになっためぐを、
今日は間一髪、恵君が抱き止める。


「おっ、おはよう!」

「あっ、ごめん!

―――おはよう!」


抱き抱えられた人と抱き抱えた人。


その状態のまま、ガチガチに緊張しながら挨拶をかわす2人は、

こっけい以外の何物でもなかったのだけれど………