その空気を破ったのは、樹。


ふぅーっと、ため息をついて、一言こう言ったのだ。

「恵様もめぐさんも、
何故そんなにらみ合いをしてるんです?」


「「にらみ合いなんて、してない!!」」

2人同時に叫んだ。


「わぉ。息ぴったり」

樹がおどけて言う。


「――大体、恵様が悪いんですよ。
パンチを受け止められなかったからと言って、そんなに拗ねるから」


「なっ!?
僕は、別に――!!」


「…違いますか?」


「~~~~っうるさい!!
あぁそうさ!
僕は悔しいんだ!


でも、拗ねてなんかいないぞ!!」


「知ってますよ」


クスクス笑いながら、
呆気にとられているめぐに近づいて、

樹は耳打ちした。