「あの!! すいませんでした! 力一杯殴ってしまって…… それで、えっと――」 「それ」 しどろもどろ、焦りながら言っている、女の子の言葉を、恵君は容赦なく遮る。 「めぐを殴ってたとしても、同じこと言ってた?」 「―――っ!!」 相手は、素直にも言葉に詰まる。 「なら」 恵君は立ち上がり。 「そんな媚びた言葉、 いらないよ」 めぐの手を取ると、すたすたと屋敷に戻る。 ファンクラブの人達は、黙って恵君達を見送るしかなかった。