―――バタバタバタバタ それは、めぐが恵君の部屋に向かうのを、 衣千香達が頑張って止めている音だった。 衣千香達がバタバタと急いで走ってくる足音に、 めぐを抑えきれずにバタバタと前に進んでしまう音。 めぐは、恵君にダメだと言われたにもかかわらず、 無理矢理、部屋に行こうとしていた。 そんなことをする理由はただ一つ。 『何であたしに秘密ばっかり作るの?』と聞きたいだけだ。