小さい頃から、
髪をショートにしたいと言っても、だめ。
結局、今までバッサリ切ったことがなくて、髪の毛は、上半身より長い―――
バレエを習いたいと言ってもだめ。
変わりに日本舞踊に行かされ――――
その他、特に行きたくもなかった合気道やら、
お琴やら―――
今考えると、
東家の嫁として恥ずかしくないようにと、習わせてくれていたのだろうが、
何も知らなかった時に、周りの友達が遊んでる中、1人、好きでもない習い事で飛び回るのは、きつかった。
でもその時は、いつも。
『ため息1つ、背筋ピン』
お母さんが何度も言っていた、明るくなるやり方を実戦する。
すると、自分でも不思議なことに、
周りがちょっと明るく見えるようになる。


