駅前で恵君はいつも通り衣千香に言った。 「じゃ、頼んだぞ、いち」 「うん、分かってる」 そして、めぐの方を向いて 「……じゃ………」 と聞こえるか聞こえないか程度の声で言う。 めぐはいつも困って苦笑いだ。