まっずっはー。
「沙茶!競争しよっ!」
「へ?いや、ちょっと休ませ……」
「はい、レッツゴー!」
「えぇぇぇぇぇ!?」
はい、クロールー、バタフライー、平泳ぎー♪
やっぱり平泳ぎらくだなー。
っと、
「沙茶ー?」
「……い、いるよ?」
呼ぶとすぐに声がしたから、さっすがー!と思って振り向くと……
「沙茶!?ちょ、それ平気なの!?」
「へーき、へーき……」
いや、だって!
「鼻血でとりますやんけー!」
「いや、來華こそ平気?何語、それ……」
真っ赤なケチャップに似たものが鼻からドバドバと……あぁ、海が赤く染まってく……!!
……うん、そんな大袈裟なものじゃあ無いんだけどね。
「沙ー茶さん、ちょっと、ビーチまで戻れる?結構沖まで来ちゃったけど」
「……うん、ちょーっと……うん、足がガックガクしてるくらいかな」
「……あ。」
すっかり忘れてた。
沙茶の海のトラウマ。

