半目でこちらをじーっとみている、ストーカーのような怖いやつ。
「……沙茶、ちょーっと行ってくるね?」
「だ、大丈夫?」
「うん?なにが?かるーく三途の川まで飛ばすくらいだから」
私はそう言ってから立ち上がって、校舎の影まで歩いた。
というか、途中から走った。
だって逃げるから。
がし。
「なーんで、逃げてるのかな?あ・お?」
「……あ……はは」
我が弟はいつからストーカーになったのでしょうかね。
「いや……帰郷すると、噂を聞きまして、ね?」
「もちろん……連れていくつもりだけど?」
「ですよね~置いていき…………え?」
「だから連れてくっての」
碧を一人にしたくないしね。
なにをしでかすかわからないんだから。
それに、昔の友達にも会いたいだろうし。

