美由紀は助からなかった。
私がもっと、早く救急車を呼んでいれば……

「ねぇ、あの子でしょ?」
「そうそう。あの子も一緒だったのにね」
「なーんで、あの子じゃなかったのかしら」

美由紀の御葬式の日。
そんな声が聞こえてきた。
私だって、何で私じゃなかったのか聞きたいよ。

どうして美由紀だったの?
私は生きなきゃいけないの?

その時、ビデオが流された。
そこに映っていたのは、
死んでしまった美由紀。

「こんにちは。みんな、私、死んじゃったってことだよね?
これが流れてるんだもんね?
私ね、心臓病だったの。
手術しても治らない。
だから、いつか死のうと思ってたの。
よかった。やっと死ねた。

最後に。
奈緒、見てる?
奈緒と一緒にいられて楽しかったよ。
でもね、こんなんじゃ、親友って
言えないよね。
だって、病気のこと黙ってたんだもん。
ごめんなさい。
でも、私、奈緒がリストカットしてること
知ってたよ。

私はもう、美由紀のそばにいてあげられない。だから、私の分もちゃんと生きてね。
さようなら」

何それ……
美由紀が心臓病?
嘘でしょ?
何で言ってくれなかったの?

私、最低だ。
こんなに思ってくれてた友達がいたのに、
死のうとしただなんて……

「美由紀ー!!!!!」

私の声だけが、ただただ響いていた。