柚‥

君が俺の中にいた事は、夢でも何でもない現実だよ。


あの夏祭りで君が見せた寂しい笑顔。

一緒に勉強している時の真剣な声。

二人で話した色々な話し。



絶対に忘れない。



君が言った通り、俺は医者になる。


医者になってたくさんの人を救える人間になりたい。


俺は一人じゃ何もできない弱い人間かもしれないけど、こんな悲しい思いはもうしたくないんだ。


今はもう俺の中に柚はいないけれど‥


もう君と向かい合って話す事はできないけれど


見ていてほしいんだ。


柚が望んだ医者になるから。



妖精みたいに俺の中に入り込んだ柚。


今はきっと‥


天国であの嬉しそうな笑い声をあげているのだろう。





END