狐と花

 「えっ••」

 女は驚いた

 「そ、そんな、何のお礼もしていないのに泊めてもらい、そのうえ部屋まで••こんなっ••こんな・・・」

 -こんな、私なんかに与えていい物では、ないです-

 今、自分が言うとした言葉

 でも、それは恩人に言うような言葉ではないのは、自分でも分かった

 「おぃ、どうした?」

 いきなり静かになった女を不思議に思ったウタカタが聞いてきた

 「あ、あの、私、ウタカタさんのために、なにかできませんか?」

ウタカタは、少し驚いた表情をしたあと、フッっと笑った

 
 「其方は、何もしなくてもずっとここにおればよい」


 そういうとウタカタは障子の方へ歩いてをいきこちらを振り返り

 「起きたところで悪いが、出かけるぞついてこい」

 っと言って部屋から出ていく