狐と花

 ハァッ••ハァッ••

 午前3時すぎ 丑三つ時
 
 森の暗闇を途中、木の根につまずき転びながらも走り続ける人影が1つ

 おそらく、背丈からして14、5歳だろう

 ーこんな時間に出歩く人などそうそういないだろうにー
 
 そんなことを思いながら、その者を高い木の上で見ている者が1人

 「おぃ、そこの者」

 走っていた少女(?)はその場で立ち止まりあたりをキョロキョロとみる

 どうやら、声の主をさがしているようだ

 「其方の上だ」