「元気でな。沙良。」 頭の上に乗せられた手。 「わかってない、まだ何にもわかってない。そんな速く行っちゃうの?」 やっと声が出た頃には、 部屋にはわたし以外いなかった。 扉が開く。 「沙良みたいに、できる子だったら…」 お母さんの声が響いた。