「それがさ、誰かに盗られたっぽい」 御大川は信じられないように表情が固まる。 「はぁ!?」 「残念、あと3分しかな…」 後ろの教頭の声も聞かずに私を担ぐように抱え込む。 「ちょっ…怖いから」 「いいからさっさと行くぞ」 投げられた鍵を受け取った御大川晴紀は走り出す。 生徒会室の鍵を開けると、 すぐに用紙を出す。 急いで名前を書くと、その上からわたしの手を握ったまんま認証欄を書いていく。