俺をまじまじと見たあと、 女が「どうしたの?」と腕を強く絡める。 「いや……堂神高校かと思ってね」 「え、娘さんあんな名門に!?」 うるせぇな。 人を話題の種にしてんじゃねえぞ。 段々虫の居所が悪くなってきた。 「今二年で、いつも学年で上位をキープしてるよ、誇らしいね」 その瞬間、俺は一秒前までの不快感は消えた。 お前………まさか。 「おい」 二人はこっちを向いた。 「…お前らの名字、鮎川だろ」 目を見合わせて、女が頷く。 手前か。 手前が沙良を泣かせた張本人か。